そう思っていたのに。

ガラガラ、と扉のひらく音がして心臓がドクンと音を立てた。

上履きが床を擦れる音がする。

こっちに来てるんだ。

ここに居るなんて思われたくないから、動きたいのに体が硬直して動かない。

僕の隣に来たその人は、スカートを履いていた。

つまりは、女子なんだろう。

上履きが緑の淵ということから、僕と同じ3年生だということがわかる。

彼女は隣の椅子を引いて、声もかけずに座った。

ここまで来ると、顔を見ないわけにもいかず、僕は顔を上げた。