「ふぅ…」

少しだけ、一瞬だけ、辛い気持ちが薄れる。

呼吸はすごい。

生きるためだけではなく、心を落ち着かせることにも使えるなんて。

席に座って、ただボーッとしていた。

何も考えたくない。

人の気配がする。でも、旧館の図書室なんてきっと来ない。