網川君の彼女は、お値段の張る“ユーリョーブッケン”。



  ☆





「で?君は噂の彼氏くんに手当てしてもらったわけですかー?」


「・・・まあ、そう」


隣で効果音が聞こえるほどニヤニヤしてるのは狗未(くみの)(らん)ちゃん。


私の事情も全部知ってる、小さい頃からの友達。


「理科室で私たちが心配してたあいだに、だーれもいない保健室で?」


「、うん」


何だか楽しそうなのは・・・気のせい?


「なにしてたんだか」


「う゛っ・・・、なんも」


「してないわけないもんねー?」