白い猫 と 見放しの神

恋愛(ピュア)

Bio/著
白い猫 と 見放しの神
作品番号
1690521
最終更新
2023/03/12
総文字数
0
ページ数
0ページ
ステータス
未完結
PV数
1
いいね数
0
「オメェ、巷で噂されている〝猫〟か?」


 通りすがりの男が酒臭い息を吐きながら言った。


「その白い髪に紫色の丸い瞳、
 それから陽に焼けていない白い肌――。


 たしか〝抱くと幸運を呼び寄せる白い猫〟って
 言われてねぇか?」


 わたしは怯えた目で男を見つめる。


 そんなのただの戯言だ。


 わたしは何も知らない。


「おい、逃げんな」


 男が荒く息を吐きながら、
 わたしを一通りの少ない路地裏へと引っ張る。


「――やめて。わたしは〝猫〟なんかじゃない」


「確かめてみないことには分からんだろう」




~・~ ◇◇◇ ~・~



 貴族の暮らしに比べれば、
 ここらの平民は貧しい生活を送っている。


 それでも地面で干からびている虫の
 死骸を齧ったり、


 空腹に耐えきれず小石を舐めたりしないだけ


 まだマシかもしれない。


 わたしには家がない。


 食べるモノもお金もなく、
 物心ついた時には両親もいなかった。


 ただ唯一残っているのは、
 何をされても壊れない頑丈な身体と、


 これっぽっちの柔軟な考えだけ。


 だけどそんなある日。


 わたしの目の前に
 漆黒の髪をした
 背の高い男が現れた。


 落雷とともに現れたその人は、
 わたしに2つの選択肢を突きつける。


「お前は死ぬのか。
 それとも俺と一緒に来るのか――」




 つづきは本編にてお楽しみください♥
あらすじ
物心ついた頃から両親もおらず、たった一人で育ってきた未生は
巷で〝白い猫〟と呼ばれていた。
何でも〝白い猫〟を抱くと、力が湧いてきて幸運がやってくるのだとか。
でもそれは未生という11歳の少女が〝本来恵まれるべき運〟である。
それらを根こそぎ奪われて、未生が生死の狭間を彷徨っている時、
目の前に漆黒の髪をした背の高い男が現れた。
落雷とともに現れたその人は、未生に2つの選択肢を突きつけて――。

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