「色々あってね~って、私の事は真白って呼んでよー!」

「ご、ごめんね、真白ちゃん」



元気なお友達だな…。美月さんはおしとやかって感じ。

そんな事を思いながら、美月さんの肩に手を伸ばす。

だけど…



チラッ



「!!」

「――…」



今まで微塵も後ろを気にしていなかった友達が、少しだけ後ろを見て、すごい顔で私を睨んでる。


え……こわッ!!


もちろん、伸ばした私の手は、そのまま固まってしまう。

その間に、美月さんと友達は、私からどんどん離れて行った。



「(追いかけたい、けど…足がすくんで…っ)」



いや、でも足が動いたとしても、あのお友達相手に勝てる気がしない…。

女の子なのに、オーラがすごい。



「(美月さんに頼みたいって思ったのに、その美月さんに近づけないんじゃ無理だなぁ。諦めて帰ろ…)」



そう思いながら降ろす私の手を…


パシッ



「え……」

「……」



蒼羽と並ぶくらいの、すんごい端正な顔の男の人が、勢いよく掴んだ。