「っ!」

「絶対にだ…!」

「~っ、」



無言で固く目を瞑った私の肩を支えて、優利は窓から離れようとする。



「夜野、お前…絶対に戻って来いよ…!」



優利によって、私は蒼羽からどんどん遠ざかる。

敵に囲まれ、そして姿が見えなくなった蒼羽。

今、彼がどうなっているのかは、見ることさえ叶わない。




「蒼羽ぁ…っ」



分かってるよ、私は無力だって。

知ってるよ、今まさに痛感してるよ…っ。


でも…だからって諦めるの…?


私に出来る事は何もないの?

このまま蒼羽が負けていく様子を見るだけ?



「(戦闘が終わった時に、蒼羽が無事かどうか分からないのに…?)」