「ねぇ日向さん」

「は、はい…っ」



「今日の天気は晴れ?」

「……え?」



私の腕をいつの間にか離していた夜野くんは、空を見上げながら尋ねた。


私も同じように空を見上げる。

果てしない空に浮かぶ太陽。

どうやら今日は…晴れらしい。



「天気が崩れない限りは…晴れ、かと…」

「……」



たどたどしく答えた私の顔を、チラリと見た夜野くん。

すぐに視線はそらされ、そして…



「ウソはダメだよ」

「へ?」

「今日は曇りだ」



笑いながら、そう言った。



「くも、り…?」



空を見上げて、太陽を見る。

眩しいくらいの太陽。



「(夜野くんには、それが見えないのかな…?)」



そう思っていた時。

真上の太陽を直視しすぎたせいで、視界がグラリと揺れる。

そして次には、地面にバタンと倒れてしまった。



「大丈夫?目が回った?」

「(ひー近づいて来てる!)」



優利の仕返しの対象。

そして絶賛恐怖の対象。

そんな夜野くんが、私の横に腰を下ろして至近距離で話しかけてくる。


この状況下で…


完全にパニックになった私は、とんでもない事を口走ってしまう。