最後に、私をチラリと見て…



「お互い油断しないようにしようね明里」



その言葉を最後に、バスルームに姿を消した。


残された私は、春夏秋冬が一気に訪れたみたいな…

そんなスピード感満載だった、蒼羽の言動に思わず疲れてしまった。



「はぁ~何だったの…本当」



机に手を広げて、うつ伏せになる。

その時、バスルームから聞こえるシャワーの音が耳に入って来た。



「蒼羽がお風呂から出たら消毒しなきゃ…」



そう言って一息つく。

つかの間の、脳の休息。

だけど…

そんな中、気になる事は…



「今日の蒼羽…やっぱり変だよね?」



同居人の、ちょっとした変化。

なぜだか、それが頭から離れない。


そして、


この変化に疑問を持った事が、明日の私たちの運命を左右することになるとは…

この時の私は、思いもしなかった。