「う、ううん……えと、」



なかなか口を開かない私を前にしても、優利は「早く」とか一切急かさなかった。

ただ黙って、私が話すのを待っててくれる。



「えと…」



チラリと優利を見る。

すると、私を見つめる真っすぐな瞳と目が合った。

今のこの状況で、この純粋な目は…苦手だ。



「(ウソがつけなくなる…)」



私自身、優利の真っすぐな性格に惹かれて好きになった。

その優利にウソをつくなんて…出来ない。



「実は…」



諦めて、ポツリポツリと話す私。

時間が経つごとに、優利は目を開いていった。



「は?夜野蒼羽の家にいる?一緒に住んでる?」

「そ、そうです…」



「なんで!そんな危ないこと…!」