甘すぎる小悪魔に見つかったなら。

「もう,からかわないでよ。特に人前では。恥ずかしいでしょ? 話くらい,放課後だろうが昼休みだろうが聞いてあげるから!」



弾みでそんなことを言ってみた。

どうせこの瞬間だけで,もうわざわざこんな行動は取らないと思ったし,会いに来たいだなんて思うはずもないと思ったからで。

そう,ただほんの少し。

主導権を握られたままなのが悔しくて,年上風を吹かせようと上から目線に発言しただけだったのだ。

なのに……



「……放課後?」



パチパチと,驚いたように瞬いた十和。

そして



「いいね,僕,暇だから付き合ってよ。LANE,出して」



スッとぽっけからスマホを取り出した。

思いがけず本気にされて,戸惑う私。



「なに? あゆが言ったんでしょ?」



そんな私を,十和は小馬鹿にするように笑った。