君の愛に酔う~藤の下で出会った2人の物語~

(やっぱり陛下も明日の婚姻が嫌で嫌で仕方ないのだわ。私に慰めてほしいのね。)
(今まではきっと恥ずかしくて遠慮なさっていただけよ。いよいよ前日になって抑えていた思いが止められなくなったのね!)
(ギーゼラもいい気味。あなたにとって大事な日の前日に、陛下は私を選んでくださった。)
(お可哀そうな陛下、明日は好きでもない相手と寝所を共にしなければならないなんて・・・)
ルイーザは自分に都合の良い解釈をしまくって、勝手に悦に浸っている。

ルイーザの頭の中は、
ユリウス&ルイーザ→思いあっているが素直になれない二人
ジゼル→二人の仲に割って入ろうとする悪女
という図式が出来上がっており、
ユリウスが自分を愛してくれているのだという妄想が止まらない。

ユリウスが訪れるまであと数時間。
この一夜を完璧なものにしなければと意気込むルイーザは
侍女に命じて浴槽にたっぷりのお湯を貼り、
最新の美容品を惜しみなく使ってピカピカに磨き上げた。