ユリウス国王と対面して以来、
ジゼルは自由な時間を満喫していた。
ユリウス国王が訪れることも無く、
当たり前だが友達もいないため誰かとお茶を楽しむこともない。
ドレスの採寸も終わったし、明日の式のリハーサルも午前中のうちに終了。
明日までやることがないので、室内でひたすら得意の手芸を楽しんでいた。
「うわぁ~本当にお上手ですねぇ!こんな複雑なモチーフを刺繍できる女官なんていないですよ。」
エミリアが感嘆の声をあげる。
彼女はヘアアレンジは器用な割に、手芸は全然ダメなんだそう。
(「私、どうも先端恐怖症なんですよね。針が怖くて・・・」)
「見事ですわ、ギーゼラ様。私にも教えてほしいぐらいです。」
ソフィアも感心しきりだ。
褒められ慣れてないジゼルはなんて返してよいか分からず、
赤面してうつむいてしまう。
「こんなにお上手なのですから、結婚後は陛下のお召し物への刺繍はギーゼラ様がなさっては?」
「ハンナ、それとってもいいアイディアよ。」
「どういうこと?」
「マグノリアでは王族・高位の貴族の方々は自分を表すモチーフを持っていらっしゃいます。自分の持ち物にそのモチーフを入れることで所有者が誰なのかを示すことができるんです。」
「そんな習慣があるのね。知らなかったわ。」
「下級貴族なんかは家紋を使いますが、今は庶民にも流行していて、みんな自分のマークを決めて自由に使っていますわ。」
「陛下のモチーフは何なの?」
ジゼルは自由な時間を満喫していた。
ユリウス国王が訪れることも無く、
当たり前だが友達もいないため誰かとお茶を楽しむこともない。
ドレスの採寸も終わったし、明日の式のリハーサルも午前中のうちに終了。
明日までやることがないので、室内でひたすら得意の手芸を楽しんでいた。
「うわぁ~本当にお上手ですねぇ!こんな複雑なモチーフを刺繍できる女官なんていないですよ。」
エミリアが感嘆の声をあげる。
彼女はヘアアレンジは器用な割に、手芸は全然ダメなんだそう。
(「私、どうも先端恐怖症なんですよね。針が怖くて・・・」)
「見事ですわ、ギーゼラ様。私にも教えてほしいぐらいです。」
ソフィアも感心しきりだ。
褒められ慣れてないジゼルはなんて返してよいか分からず、
赤面してうつむいてしまう。
「こんなにお上手なのですから、結婚後は陛下のお召し物への刺繍はギーゼラ様がなさっては?」
「ハンナ、それとってもいいアイディアよ。」
「どういうこと?」
「マグノリアでは王族・高位の貴族の方々は自分を表すモチーフを持っていらっしゃいます。自分の持ち物にそのモチーフを入れることで所有者が誰なのかを示すことができるんです。」
「そんな習慣があるのね。知らなかったわ。」
「下級貴族なんかは家紋を使いますが、今は庶民にも流行していて、みんな自分のマークを決めて自由に使っていますわ。」
「陛下のモチーフは何なの?」



