君の愛に酔う~藤の下で出会った2人の物語~

エミリアが当然のようにジゼルの服を脱がせ始めたのでジゼルは焦ったが、ハっと我に返る。
(ばあやが言ってたわ。王女や王妃ともなると普通は侍女に入浴を手伝ってもらうのだと。)
王女とは名ばかりの生活をしていたジゼルは当然、入浴も自分でしていた。
だから人に服を脱がされたり、身体を洗われるのはちょっと苦手だ。
かといって侍女の仕事を奪うわけにもいかないし、
変な目で見られるのも嫌だったので
ソフィアとエミリアにされるがまま、おとなしくすることにした。

入浴して身も心もポカポカになり、
ハンナが綺麗にベットメイキングしてくれたふかふかのベットで
ジゼルはぐっすりと眠りについた。
今まで出会ったマグノリアの人たちはみな親切でジゼルを歓迎してくれた。

これからどんな困難が待ち受けているか、誰が予想することができただろうか。