君の愛に酔う～藤の下で出会った2人の物語～

部屋には既に3人の侍女が待機しており、
ジゼルが部屋に入ると一糸乱れぬ動きで頭を下げた。
「ギーゼラ様の身の回りのお世話をする者たちです。右から、ハンナ・ソフィア・エミリアです。」
シュトラウスが紹介してくれた順に握手をする。
見た目からもハンナは30代でおそらくこの3人のリーダーなのだろうと予想できた。
眼鏡をかけて、ブルネットヘアはびっちりと一つにまとめられている。
ソフィアは金髪のボブカット、エミリアはブラウンヘアでそばかすが愛嬌を感じさせる。

シュトラウスが退出後、ハンナたちは改めてジゼルに挨拶をする。
「ギーゼラ様、3人を代表してご挨拶させていただきます。この度はユリウス国王陛下とのご結婚、誠におめでとうございます。妃殿下となられる方にお仕えできること、大変光栄に思います。今後は何なりとお申し付けくださいませ。」
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いしますね。良き主人になれるよう、私も頑張ります。」
「ギーゼラ様もお疲れでしょうから、少し横になられた方がよろしいかと思いますがいかがでしょう？」
「そうね、お言葉に甘えさせていただこうかしら。」
「お休みになられる前に、お風呂に入りましょう！体が温まりますよ～」
エミリアがジゼルを浴室に連れて行く。