ウィリアム達はお昼前にウィステリアへと帰って行った。
「鉄道も通ったことだし、これからはすぐ遊びに来れるわね。いつでも好きな時に帰って来なさいね。」
「ありがとう、エリー。いえ、お母様。」
ウィリアムとアリスにお別れのキスをして、次はエドワードの番だ。
「困った王太子様。いつまでむくれているの?」
エドワードがいつまでもジゼルから離れようとしないので、
ジゼルだけではなく、さすがのウィリアムもあきれ顔だ。
「エリー、俺はここまでひどくなかったぞ。」
さぁ帰るんだと言わんばかりにウィリアムはジゼルから息子を引きはがした。
「エディも姉離れすることを覚えないとな。でもたまにはエディに手紙を書いてやってくれ。」
「もちろん。エディからもお返事待ってるわね。」

≪後日談≫
エドワードのシスコン度合いは筋金入りで、
2日と日を置かずにジゼル宛てに手紙が届くばかりか、
かつてジゼルが使っていた電話でユリウス宛てに頻繁に電話をかけてくるようになり、
ユリウスがウィリアムに正式に抗議するまでになってしまったという。