君の愛に酔う~藤の下で出会った2人の物語~

歓迎パーティーのためにユリウスが用意してくれたドレスは
ジゼルの赤毛にもよく馴染む藤色のオフショルダーのドレスだった。
「陛下から、ギーゼラ様は藤の花がお好きだと聞いております。」と言って、
エミリアが藤の花で造った髪飾りをつけてくれる。
歩く度にゆらゆらと揺れてとても可憐だ。

一方のユリウスは黒のタキシードを着ていたが、
胸元のポケットに藤色のハンカチを入れており、さりげなくジゼルとリンクコーデになっている。
「藤の花は私と貴女を結び付けてくれたキューピッドだから、今夜のパーティはこれがふさわしいと思ったんだ。」
ユリウスが照れながら教えてくれる。
「私も藤の花が大好きです。このドレス、とても気に入りましたわ。」
「それは良かった。では、行こうか。私のアプロディーテ殿。」
ユリウスの冗談にジゼルも自然と笑みがこぼれる。
「はい、アドニス様。」

国王主催のパーティではあったが、
ゲストが親しいものに限定されていたため、
堅苦しさのないアットホームなパーティとなった。
そしてパーティも中盤に差しかかった頃、
クララが夫に伴われてジゼルの元に挨拶に訪れた。
「ギーゼラ様。」
晴れやかな笑みを浮かべて、クララはジゼルに声をかける。
今まで軍服姿しか見たことがなかったが、
軍に所属して身体を鍛えていただけあってドレスも難なく着こなして堂々たる貴婦人だ。