エルマーが招待状の返事を送り返して数日後、
それはウィリアムの元に届いた。

「ユリウス国王は出席するって。」
ウィリアムはユリウスからの返事に満足げに微笑む。
「あら、良かったじゃない。でもあなたの思い通りにならなくても、余計なことはしちゃダメよ。」
「エリー、僕がそんな無粋なことをするわけないじゃないか。歯痒い若者たちの恋を応援するために、ちょっとお膳立てしてあげただけさ。」
「そんなこと言って。面白がっているようにしか見えないわ。」

この数年のユリウスの成長ぶりはウィリアムの予想を超えるものだった。
ジゼルがマグノリアから逃げて来た時と比べると、
ウィリアムのユリウスへの評価は180°逆転している。
ユリウスとジゼルがお互いに好意を持っていることはウィリアムも知っていたので、
ユリウスとジゼルが結婚したいというのなら認めてもいいかと最近では思い始めていた。
ところがこの2人の恋が全然進展しないのだ。

アリスの話によると、文通は続いてるようで交流が0というわけではないらしい。
だがユリウスは1年中国政に追われているし、ジゼルはジゼルで通い始めた大学の勉強で忙しい。
お互いゆっくりと会う時間もないのだから、進展させろという方が難しいのかもしれない。