「ごめんなさい、ちょっとお手洗いに……」

それぞれ食べたいものを注文し終えた後、一花が立ち上がりトイレへと向かう。これはチャンスだと、桜士はヨハンたちに訊ねた。

「皆さんって、四月一日先生のことどう思っているんですか?」

「医者として信頼できる大切な仲間だよ」

クラウディオが即答し、ヨハンたちも頷く。桜士は「そうじゃなくて」と首を横に振った。全員が不思議そうな顔を見せる。

「医者としてじゃなくて、一人の人としてどう思ってるんですか?」

「それはもちろん妹じゃない?」

アルオチがジュースを一口飲み、すぐに答える。他のメンバーも頷いていたため、桜士は予想と違う反応に面食らった。

「えっ、皆さん妹としか見てないんですか?」

「可愛いけど、恋愛対象としては見れない。一花の性格に問題があるわけでもないけど」

リティクがそう言うと、その隣に座っているアルフレッドが口を開く。

「一花は日本にいれば小学生だったはずの頃にはもう医大生で、頭脳は大人で体は子どもだったんだ」