ふと、クラウディオは考えてしまう。命を奪いたくない。だが、奪わざるを得ない時がある。そんな気持ちを抱えながら、ただ心を殺して引き金を引く。

「クラウディオ!」

アルフレッドに強く腕を引かれ、クラウディオはハッと我に帰る。そこで初めて敵の銃が自分に向けられ、発砲されたことに気付いた。

「クラウディオ、顔色が悪いけど大丈夫?こんなところでボウッとしちゃうなんて……」

「何かあったか?一人で抱えんなよ。俺らはただでさえ、心を壊しやすい場所にいるんだから」

ナタリアが心配そうな顔をし、ヨハンが周りを警戒しながら言う。クラウディオはリティクに手を引かれた。

「俺たちが周りを見張る。だからもう、クラウディオは休め」

大丈夫、そうクラウディオは言おうとした。だが、それを言い出せる空気ではなかったため、その言葉に甘えることにする。

「ありがとう」

そう言い、クラウディオがその場に座ろうとすると、一花がジッと見つめていることに気付いた。