「ここ、本当に日本なのか……?」

桜士の隣で、オーストラリア出身の看護師であるオリバー・ホープが呟く。他のメンバーたちも息を呑んでいた。

運動場には、逃げ出した生徒や教師たちがいるものの、銃弾が掠ってしまったのか怪我をしている人が大勢いる。

「痛い……痛いよ……」

「誰か助けて!血が、血が、止まんない!」

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

泣き叫ぶ声があちこちから響く中、ドイツ出身の産婦人科医・モニカ・ハイドが医療器具などが入ったかばんを手に前へと進む。

「とにかく、まずはトリアージだ!みんな手分けしてトリアージに当たってくれ!」

「了解!!」

他のメンバーはそう言い、それぞれ怪我人のところへと走っていく。そんな中、桜士は銃声が時々聞こえてくる校舎に目を向けた。

(四月一日先生たちを助けに行かないと!)

桜士は迷うことなく校舎へと進んでいく。すると、インド出身の薬剤師兼臨床工学技士のリティク・タゴールに声をかけられる。