(これを戦場で四月一日先生は着ているのか……)

傷付いた兵士や国民にとって、この白い制服を着た一花たちは、救世主のように見えるだろう。

(一度、見てみたいな。この制服を着た四月一日先生を……)

頭の中で想像してみても、やはり実物をこの目で見てみたい。桜士がそう思っていると、十が何かに気付いたように話しかけてくる。

「九条さんって、あのeagleのメンバーの誰かが好きなんですか?顔面偏差値の高いアイドルグループに所属してそうな人ばっかりでしたけど」

俺はモニカ・ハイドさんが好みです、とニヤニヤしながら十が話す。モニカの魅力を語る十の言葉を聞き流しながら、桜士は一花の顔を思い浮かべ、ミンジュンの情報にもう一度目を通した。



このまま今日も桜士は警視庁で徹夜をするつもりだったのだが、十や他の部下たちに帰るように説得され、桜士は仕方なく家に帰ることにした。

「この寝不足で運転は危ないか……」