さて…、どう切り出そうか。

花ヶ崎学園を出て徒歩数分。

生徒たちも御用達のカフェに到着した俺たちは、お互いに飲み物を頼むと空いてる席に腰を掛けた。

目の前の席に座り、アイスカフェラテを飲む瑛茉ちゃんの様子を伺いつつ、コーヒーをひと口、口に含んだ俺は話を切り出すタイミングを探る。

「それで、有羽くんが気になるのは璃人くんのことですか?二人は確か従兄弟なんですよね??」

唐突に瑛茉ちゃんから出たその言葉に驚いた俺は飲んでいたコーヒーが気管に入って咳き込んでしまった。

「…っぐ、ゲボゲボ…ッ」

「有羽くん!?大丈夫ですか…?」

慌てたように咳込む俺を心配する彼女を制し、小さく「だ、大丈夫…」と呟く。

というか…。

「…知ってたんだ。俺と璃人のこと」

「はい。SAISONの担当をしたいって言うのは昨年から言ってたので…。それに璃人くんからも聞いてましたし」