俺だけのもの。とらないで




……そんなこと?


今、そんなことって言った?


私にとっては、暴走しちゃうくらいに大事なことを?


ムッとして思わずぐぐぐっと、拳に力が入る。


でも、左手に持ってた重みのある箱が、今日という特別な日を思い出させてくれた。


そうだ。私まだ、自分の気持ちを伝えてない。


“そんなこと”って言われる程度の気持ちじゃないってことを、今度こそ伝えなきゃ。


その瞬間、私の中で止めるものはなにもなくなって。


「だって俺は―――」

「好きなの」

「え」

「あんたのことが好きだから! もう告白もできないんだって、辛くて苦しかったの!!」


勢いで、思いの丈をぶちまけた。


「やっと言った」


降ってきた声はさっきよりも近くて。


抱き締められてるんだって、遅れて気づいた。