そんな自分が嫌で、醜くて。
とても顔を上げられない。
それなのに、私の心の内側を知らない幼なじみは、扉を閉めて私の正面へ回り込む。
そして、私の頬に手を伸ばした。
「行動がワンパターン。すぐに見つけられる」
そう言って、ふっと息を漏らすように笑う。
この気の抜けた笑い方。
心を許してくれているようで一番好き。
重苦しくなっていた心がたちまち軽くなるなんて、私は単純すぎる。
「昔、かくれんぼで見つかったとき。その次は見つかったところから一番遠いところにいつも隠れてたでしょ」
……たしかに、そうだったかもしれない。
次は絶対に見つからないぞって思うのに、絶対に始まってから数秒で見つかってた。
今私がいるここも、西棟にある教室から一番遠い、東棟にあるこの空き教室。
だから、昔みたいにあっさりと見つけられた。
昔も今も変わらない。



