吐き出してメルトハート




病院なんて、もとより行くつもりはなかった。

行ったところでなんの治療法もないだろう。


それどころか、どこかの研究所に回されてもおかしくない。

ギフテッド研究の被験者になったときよりもずっと、ずっと過酷な時間が待ち受けているだろう。


こうして学校に来ることさえも本当は危険だとわかっていた。

頭では、わかっていた。




「……佐藤」

「あれ?安吾くん、まだ残ってたんだ」

「それはこっちのセリフだよ。早退すらしてねーし、もう病院の受付も終わってんだろこんな時間」


安吾くんに言われて、胡桃ちゃんを見送ってからかなり時間が経っていたことに気づいた。

窓の外はすでにオレンジ色に染まりはじめている。



「佐藤」

「んー?告白?」

「ちげーよ。明日一緒に病院いくぞ」

「えーいいよべつに、ひっく、病院きらいだし、ひっく」


「しゃっくりの間隔、短くなってる」



そんなことない、こともないけれど。