「安吾くんがモテるなんて世も末だね」
「お前がモテる世も末だと思うよ俺は」
「わたし?モテないよ全然、ひっく」
「……どーだか」
そうこうしているうちに学校についた。
安吾くんは謎にモテるけど、わたしは幼なじみ特権で登下校くらいは許されてるらしい。
誰に?って感じだけど。
たぶん安吾くんファンの皆さまに。
「じゃーな」
「待って安吾くん」
「なに?」
「371」
「なにそれ」
「物語が始まって今まで安吾くんが喋った文字数」
「もっと別のもん数えろよこのギフテッド」
苦虫を噛み潰したような顔をして、安吾くんは今度こそ自分の学科の棟につづく渡り廊下を歩いていく。
それを見届けたあと、わたしも自分のクラスのドアをあけた。



