「それよりひっく、安吾くん、チョコいっぱい、ひっ、もらえた?わたしは、ひっく、もらえなかったよー、ひくっ、さすがにみんな引いてた。あはは」
家から持ってきていた予備のビニール袋にも入らなくなったチョコレートが机の上に山積していく。
教室に入ってきた安吾くんは、すたすたとわたしの席までやってきた。
「死なないようにがんばるけどさ、死因がチョコレートってなんかメルヘンチックだよね」
お前の頭がいちばんメルヘンチックだよ。
そう言われると思ってたわたしの笑顔がさっと引っ込んだ。
血の気さえ引いた気がした。
それは安吾くんがチョコレートを掴んだから。
わたしの吐き出した、安全かもわからないチョコレートを掴んだから。
「だめっ……食べないで!!」



