君と過ごした世界は、どうしようもなく暖かい

そう思い私はまず暖に桐生くんのことを聞くという
目標を決めることができた。

そうだ。あともう一つ。お父さんから、私の幼い頃の話をあまり聞いたことがなかった。

夢の中と何か関係があるかもしれない。
分からないけれど、聞くだけなら損はないはずだ。

明日お父さんに聞いてみよう。
幼い私は何か忘れてしまっているのか、それともただの夢なのか。

そんなことをぐるぐると考えていると私はいつのまにか深い眠りについてしまった。

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「っうぅ…やだよ」

小さな女の子の泣き声が聞こえる。

これは…夢?
最近は夢の中で夢と分かるくらいに意識がはっきりしている気がする。

それに前まではぼやけていた夢も今は鮮明に見える。

泣き声のする方を見てみるとそこには私がいた。
幼い私が、泣いている。

「冷、大丈夫だよ。まだ分からないじゃないか。
助かる確率だってあるんだ、それに約束したんだろ」

私を優しく慰めてくれているのはお父さんだった。
まだ今より少し若いお父さんは、眉を下げて困ったような表情を浮かべている。

私は、何で泣いているんだろう。

分からない、思い出せない。何か苦しくて息が詰まりそうなそんな記憶に蓋をされているような気がした。

「っでも…!お母さんは_________、きっと__も…」

夢の中なのにも関わらず、ノイズがかかったかのように私の声が聞こえない。

ねぇ、どうして?

幼い頃の私はなんでそんなに泣いているの、どうしてそんなに…寂しそうな顔をしているの。