【短】猫かぶりの彼は、甘いものがお好き




「じゃあ私も一個食べよう」




作ったときに味見はしたけど、作りたてとは味が違うかもしれないしね!


だけど……

チョコへと伸ばした私の手は、柳沢くんに掴まれた。




「俺の取り分が減るからダメ」


「へ?」


「俺は独占欲が強いから、このチョコは他の誰にも食べさせたくない」


「その独占欲、チョコ作った本人にも適用されるの!?」




そっか……。でもまあそれなら諦めるか。

そう思ってタッパーをまた鞄にしまおうとすると、柳沢くんはその前に素早くもう一つチョコを取り出した。




「まあでも、どうしても味見をしておきたいなら、これの半分だけ」


「半分……っ、ん!?」




柳沢くんは、チョコを半分ほど口で咥えると。

私のあごを持ち上げ、そのままチョコを口移しした。



チョコレートの甘味が口いっぱいに広がる……

……けど、それどころじゃない。




「んんっ!」




チョコレートを私の口に押し込んだ後も、柳沢くんは慈しむように何度も唇を重ねる。


足に力が入らなくなってきて、私は必死に彼にしがみついた。