【短】猫かぶりの彼は、甘いものがお好き





『葉澄へ。ずいぶん高いチョコをねだってくれたわね。一箱もらえるなんて思ったら大間違いよ。あなたの分なんて奏多くんの食べ残しで十分。せいぜい仲良く食べなさい』




驚いて箱を開け確認する。

宝石のようにキラキラしトリュフたちには見覚えがあった。

前に岸井さんと話していたとき、適当に調べて可愛かったから「これがいい!!」と言ってしまった一箱7,000円のやつだ。




「俺への義理チョコとハスへの友チョコを兼ねるってさ」


「なっ、これ本気で高いんだよ!……どれだけツンデレなのきっしーさん」




まさか本当に買うなんて思わなかった。

お返し、半端な物では許してもらえないのでは?


私は震える手で高級品に蓋をして包み直した。




「で、ハスは特訓の成果どうだったの?」


「え?」


「お菓子作りの練習してたんでしょ。一週間も」




そういえばバレたんだった。

在花さんの家で作ったチョコは、タッパーに入れて鞄にしまってある。

ラッピングだけは帰ってからするつもりだったから。