そう思って唇を噛み締めていると、ひとしきり笑った柳沢くんが、「あ、そういえば」と何かを思い出したように鞄を開けた。
「学校出るとき、岸井さんからこれもらったよ」
「えっ、これバレンタインチョコでは……」
柳沢くんが取り出したのは、シンプルな黒い箱にリボンがついた、いかにも高級そうな見た目の箱。
岸井さんからのチョコ、受け取ったんだ……。
岸井さんが柳沢くんにチョコを渡すと言っていたとき、それは別に構わないと思っていた。
なのに、実際にそれを目の当たりにすると、もやもやとしたものが胸に広がっていく。
「きっしーさんからってことは……本命チョコだよね」
「いや?義理だって言ってたよ」
「え?」
「バレンタイン当日に渡すと本命に見えるから前日に渡しとくってさ。はい、これが挟んであったメッセージカード」
柳沢くんはそう言って、名刺サイズのカードを私に渡す。
それを見ると、綺麗に整った筆跡でこう書かれていた。



