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「──誤解してしまって、本当にすみませんでした」
あの柳沢くんが、深々と頭を下げて本気で謝罪している。
なかなか珍しい光景だ。
あの後。助けを求められた在花さんは、ちょっと注目が集まってしまっていた私たちを連れて人通りの少ない路地まで移動すると、これまでの経緯を丁寧に柳沢くんに説明してくれた。
おかげで誤解はきちんと解け、バレンタインのためお菓子作りの練習をしていたことはバレた。まあ仕方ない。
そして、ついでにこんな事実も判明した。
「いや……俺もすみません。まさか葉澄さんというのが下の名前だと思わなくて。てっきり苗字が蓮見さんなのかと……」
「あ、そういえば私、『葉澄ちゃん』としか言わなかったかも。言われてみれば、浩斗くんが知り合ったばっかりの人を名前で呼ぶの珍しいなとは思ってたんだよね」
そっか、苗字だと思ってたから『下の名前で呼び合ってる』と言われて不思議そうにしてたんだ。
私の場合も在花さんにつられて浩斗さんのこと名前で呼んでしまっていたし。名前、もうちょっとちゃんと確認しておくべきだった。
「──誤解してしまって、本当にすみませんでした」
あの柳沢くんが、深々と頭を下げて本気で謝罪している。
なかなか珍しい光景だ。
あの後。助けを求められた在花さんは、ちょっと注目が集まってしまっていた私たちを連れて人通りの少ない路地まで移動すると、これまでの経緯を丁寧に柳沢くんに説明してくれた。
おかげで誤解はきちんと解け、バレンタインのためお菓子作りの練習をしていたことはバレた。まあ仕方ない。
そして、ついでにこんな事実も判明した。
「いや……俺もすみません。まさか葉澄さんというのが下の名前だと思わなくて。てっきり苗字が蓮見さんなのかと……」
「あ、そういえば私、『葉澄ちゃん』としか言わなかったかも。言われてみれば、浩斗くんが知り合ったばっかりの人を名前で呼ぶの珍しいなとは思ってたんだよね」
そっか、苗字だと思ってたから『下の名前で呼び合ってる』と言われて不思議そうにしてたんだ。
私の場合も在花さんにつられて浩斗さんのこと名前で呼んでしまっていたし。名前、もうちょっとちゃんと確認しておくべきだった。



