地味子ちゃんはイケメン男子に寵愛されて



私には似合わない部屋だと思うけど、さすがに変えてもらうのはなぁ……


申し訳ない。


それに、その費用はどこから出るんだって話になるよね。


「ふーん、ならいいけど。じゃあ、もう案内終わったし戻るよ」


えっ、ここで終わりなんだ……


勝手に4階もあると思ってた。


「あの、ここって3階までなんですか?」


「いや、4階はあるけど、普段は使わないから」


普段は……


だったら、何に使うのかな……?


思わず気になってしまった。


「もういいでしょ?さっさと戻ろ」


「は、はい」


手間をかけてすみませんと心の中で思いながら、慌てて葉室さんについていった。


「とりあえず、案内してみたけど、結々覚えれたの?」


「へっ、え、えーと……」


正直あまり自信はない。


でも、案内してもらっておいてそんなこと言えなかった。


「その様子じゃ、あんま覚えてなさそう。結々の場合は方向音痴だし仕方ないか。一発で覚えられる方が凄いし」


「うぅ、すみません……」


私は分かりやすいみたいだから、言わなくても曖昧だということがバレてしまった。