ピンクで統一されていて、薄いピンクの異様に大きいベット、白い色のレースがついた可愛らしいカーテン。
ベットと同じ薄いピンク色の机の上にはハート型の鏡が取り付けられている。
ピンクではないのはカーテンと枕だけ。
これは確かに好みが分かれそう……
「この部屋は初代throneの姫の趣味らしいよ。そもそも、別館自体がこの学校を設立した理事長が孫である初代throneの姫のために作ったものだから。部屋には特に力を入れたんだってさ」
「へぇ、だからですか……」
全然知らなかった。
別館が初代姫?のために作られたものだったなんて……
随分お孫さんを可愛がっていたんだね。
だって、こんな豪華な、しかも普段は使われていない別館をお孫さんのために作ったんだから。
少しほっこりした。
それにしても、小さい頃はお姫様みたいな部屋に憧れはあったけど……
今はそうでもないかなぁ。
やっぱり小さい頃と今じゃ好みは変わるよね。
「内装変える?多分、結々の趣味には合わないでしょ」
「えっ、い、いえ、変えなくていいですよ」
「いいの?遠慮しなくてもいいけど」
「だ、大丈夫です。本当に変えなくていいですから」
本当にしなくていいですから、そう思いながら首を振った。


