明空さんって料理できるんだ。
凄いなぁ……
料理ができない私からしてみれば、料理できる人は尊敬対象でしかない。
「今日も頼む」
「うん、分かったよ。ちょっと待ってて」
「あ、あの、私、手伝います」
「手伝わなくても大丈夫だよ。結々ちゃんは座ってて」
一応手伝いを名乗り出たんだけど、断られてしまった。
そして、明空さんはどこかへ消えていった。
「伊織が料理作ってる間に結々に別館の案内でもするか」
「それ、いいねー」
「案内はいいけど、誰がするの?」
「俺は哀がした方がいいと思う……」
「えー、僕がするの?」
どう見ても面倒くさそうな顔をしている葉室さん。
「あの、別にいいですよ。1人で……」
「それは駄目。絶対結々って迷子になるでしょ。もう、分かったよ。僕が案内するから。じゃあ、ついてきて」
「あ、はい……」
確かに1人で行ったら迷子になりそうだから、大人しく従った。
「基本的に僕達がいるのはさっきいた1階の1番奥の部屋。あそこが1番広いから。1階にある他の部屋はほとんど使わないんだ」
「へ、へぇ、そうなんですか……」


