地味子ちゃんはイケメン男子に寵愛されて



「結々ってほんとネガティブだよねー。そんなこと感じる必要ないのにさ。むしろ、俺達が姫になるよう強制したようなもんだし!」


「まぁ、確かにな。呉乃の言う通り、結々がそんな風に思うことはない」


「僕もそう思うよ。てか、何でそんなネガティブなの?」


「哀、そんなこと言わないの。まぁ、俺も同じ気持ちだから。結々ちゃんが申し訳なさそうにしなくていいよ」


「うん、俺もそう思う……」


そう思ったけど、紫堂さん達は優しい。


こんなことを言ってくれるんだから。


「は、はい。えっと、気をつけます、ね?」


あれっ、何かこの返答、変な気がする……


「ははっ!結々らしい返答っ。まぁ、それが結々だよねー」


やっぱりおかしいらしく笑われたけど、納得されてしまった。


「とりあえず、もう飯にするとするか。結々、料理はできるか?」


「えっ、い、いえ、できないです。すみません……」


料理は苦手なんだ。


料理本を見たら何とか作れるけど、味は美味しくない。


お母さんの方が美味しいから、作った回数は一桁しかないんだ。


これは作れるとは言えないよね……?


お菓子作りは好きなんだけどなぁ……


役に立たないし……


「謝ることはないからな。となると、作れるのは伊織だけか」