地味子ちゃんはイケメン男子に寵愛されて



ふと我に返った時には、皆もうすでに移動し始めていて。


私も仕方なく、机を動かした。


今の席とほとんど変わらないから、移動は楽。


葉由ちゃんの机を動かさないと……


隣が誰かを確認せず、葉由ちゃんの机を動かした。


距離が遠くて結構大変だったけど、何とか動かし終えた。


そういえば、誰が隣になったんだろう……?


せめて、女の子だったらいいけどなぁ……


目を向けてみると、私の隣……というより、周りの席は空席だった。


今日休んでいる人は、葉由ちゃんしかいない。


ってことは……ずっと来ていない不登校さん、じゃないね。


一応学校には来ているみたいだけど、ずっとサボっている感じになるのかな。


どんな人なのか、どこにいるのか、全く分からない人達。


ある意味よかったのかもしれないけど……


「移動し終わったな。ホームルームはこれで終了だ」


何だか微妙な気持ちだった。