まず葉由ちゃんのクジを引いてから、私の分を引いた。
「菖蒲の分は渡してくれ」
「こ、これです」
男の人だからっていうのもあり、怖いと思ってしまう。
少し震えながら、ちゃんと渡した。
「おー、サンキュー」
私のことを理解してくれている先生は嫌味とか言わず、お礼を言って受け取ってくださった。
「菖蒲は1番だな」
きっと、私のために呟いてくれたんだと思う。
黒板を確認すると、1番は廊下側の1番前の席だった。
葉由ちゃんが嫌がりそうな席を引いてしまった……
ごめんなさい、葉由ちゃん。
そう心の中で謝りながら、自分の席へと戻った。
うぅ、何だか緊張する……
葉由ちゃんと近くの席になれますように……
無駄だと分かりながらも直前に祈ってから、ゆっくりと紙を開いた。
紙に書いてあったのは、20番。
それだけでも気分が下がったのに、席は窓際の1番後ろの席だった。
葉由ちゃんの席と対角線上……
その事実に頭が真っ白になって、呆然としてしまった。


