加えて、穢れを知らなそうな純粋な瞳。
俺に近寄ってくる女と違ったのは、まずそこだったんだ。
俺に近づいてくる女はどれも計算高くて、自分が綺麗だとか可愛いだとか自負してる女ばっかり。
甘い言葉を吐けば、すーぐ本気にするし。
バカで愚かだと思う。
でも、さっきの女はそういう女達とは違う気がする。
だからこそ、俺は興味を持ったんだよねー。
「哀達の言うとおり、面白そうな女」
でも、それは俺だけじゃなかったらしい。
面白そうにニヤリと笑ってる我が総長様。
あー、これは……
「万弦、さっきに女を姫にする気?」
無口な由良が俺達の思っていた疑問を代弁した。
さー、何て答える?
分かっていながらも、万弦の言葉を待った。
「あぁ、そうするつもりだ」
そう万弦が答えた時の由良と哀の驚いた顔。
反対に、俺は別に驚かなかった。