地味子ちゃんはイケメン男子に寵愛されて



「す、すみません」


「すぐ謝るねー、あんた」


俺が怒ってるとでも思ったのか、律儀に謝ってきた。


これで3回目。


別に謝らなくていーのにさ。


「まぁ、別に怒ってないから気にしないでいいよー。あ、そういえば、あんた迷ってたんだっけ?」


その趣旨を伝えた後、不意に思い出した。


話してて、迷子になった話をすっかり忘れてたよ。


「そ、そうです」


「なら、俺が……」


「俺が案内するよ」


俺の言葉を遮ってそう言ったのは伊織で……


普通に驚いた。


うわっ、まさかの展開。


女嫌いな伊織が案内を買って出るなんてさ。


「あ、い、いえ。大丈夫、です。迷惑かけるわけにもいきませんし、じ、自力で何とかたどり着きます」


「そうは言っても、たどり着けるとは思えないけど?事務室行こうと思って、ここにたどり着いた奴が」


「うぅ……」