「桜羽さん、それ計算じゃないよね?」
「えっ……?」
急に聞かれた質問にキョトンとする。
計算……?
「あ、あの、それってどういう……」
「その反応なら、それはないか」
な、何やら自己完結したみたい。
どういう意味なのか、私は分からなかったけど……
「ねぇ、あれってthroneの伊織様じゃない?」
「あ、ほんとだ!こんなところで拝見出来るなんてサボってよかったぁ!」
「でも、隣にいるの地味羽でしょ?何で、伊織様と一緒にいるの?」
別館らしきところを出た辺りから、コソコソと聞こえる女の子の声。
うぅ、注目されてる……
その視線に萎縮してしまった。
この人達は本当に有名人なんだ……
「うるさいね」


