「……よ、ようやく勝てました」
「うん、やったね、結々ちゃん」
優しい顔で笑ってくれる明空さん。
私のせいで負け続けたから本当なら怒られてもおかしくないはずなのに、明空さんは怒らないし優しかった。
「あれー、結々もう起きてんだ?早いねー」
「呉乃、朝からうるさい。寝起きの脳に響くでしょ」
「はー?別にそこまで大きい声じゃないと思うんだけどー」
「……おはよう、伊織、結々」
「お、おはようございます」
「うん、おはよう。呉乃と哀はちゃんと挨拶しようね」
「あー、ごめんごめん。おっはよー、2人共」
「はぁ。おはよう」
その時、呉乃さん達が部屋の中に入ってきた。
呉乃さんはいつもの緩い感じで、葉室さんも変わりなく無表情だけど、葉室さんは朝に弱いのか機嫌悪そう。


