「お母様、すみません。ありがとうございました」

話し合いを終え、瑠璃はすみれを見てくれていた一生の母に礼を言う。

「あら、いいのよ。私もすみれちゃんと遊びたかったし。ね?すみれちゃん」
「うん!おはじきたのしかった」

良かったわね、すみれ、と声をかける瑠璃に、一生の母も改まった口調で言う。

「本当にありがとうね、瑠璃ちゃん」
「え?お母様まで、いったい…?」
「瑠璃ちゃんは、素晴らしいお嬢さんよ。私なんて、何も出来ないの。社会に出たこともないし、主人の仕事のこともよく分からない。なのに瑠璃ちゃんは、あんな一流のお嬢様学校を卒業して、とても品の良いお嬢さんな上に、社長に仕事の話まで出来るなんて…。一生には、もったいないお嫁さんね」
「まさか、そんな!私なんて、何も…。一生さんと結婚させて頂いて、私の方こそ感謝の気持ちでいっぱいです」

一生の母は、優しく瑠璃に笑いかける。

「ありがとう。私達、家族みんなを幸せにしてくれて。これからもよろしくね」
「はい、こちらこそ。どうぞこれからもよろしくお願い致します」

頭を下げ合ってから、二人はふふっと微笑んだ。