「でも、良かったよな。清河さん、今はお弟子さんがいるんだよな?」
「そうだった。若い男の子、二人だっけ?」

清河には子どもがおらず、跡継ぎも弟子もいなかったのだが、作品が広く知られるようになると、ぜひその技術を教わりたいと、今は住み込みで修行している弟子が二人いるそう。

今回の訪問は、その二人への挨拶も兼ねている。

「どんな人達なんだろうな?」
「瑠璃ちゃん、良かったら写真撮ってきてよ」
「あ、そしたら俺達も今、写真撮ろうぜ!」

山下の提案で、皆は集まって集合写真を撮る。

大きめの紙にプリントアウトすると、余白にそれぞれメッセージを寄せ書きした。

「瑠璃ちゃん、清河さんに渡してね」
「はい!きっと喜んで下さると思います」

瑠璃は、笑顔で大事そうに受け取った。