魔法のいらないシンデレラ 3

「あ、小雪先生。お帰りなさ…え?!ど、どうしたの?」

ナーサリーに戻ると、美和が驚いて立ち上がった。

傍らのベビーベッドには、小さな女の子がスヤスヤ眠っている。

「すみません、ちょっと足をひねってしまって…。美和先生、優也くんをお願いします」
「分かったわ。さ、優也くん。こっちで遊びましょう」

美和が優也の手を引いて部屋の奥に行くと、山下は小雪を、低い手洗い場の横の絨毯に座らせた。

「右腕、ちょっと伸ばして」

そう言って、水道の流水で小雪の肘をしっかり洗い流す。

「救急箱ある?」
「はい。カウンターの上です」

小雪が指を差すと、山下は頷いて取りに行く。

「えーっと、消毒液とガーゼ、サージカルテープ、おっ、テーピングテープもあるな」

山下は、妙に慣れた手つきで次々と取り出すと、手早く小雪の傷を消毒してガーゼで覆う。