声を弾ませた小雪は、ふと真顔になって小声で瑠璃に尋ねる。

「すみれちゃん、様子はどうですか?赤ちゃん返りとかは…」
「今のところは、そんな様子はなくて。赤ちゃん、早く来ないかなーって言ってます」
「そうなんですね。それは良かった」

小雪は、ホッと胸をなで下ろす。

「私の方でもすみれちゃんの様子を良く見て、何か気付いた事があればお伝えしますね」

そう言うと、瑠璃はニッコリ微笑んで頷いた。

「ありがとう!よろしくお願いします」

そして娘の前に屈むと、頭をなでながら声をかける。

「じゃあね、すみれ。またあとでね」
「はーい。かあさま、いってらっしゃい!」

笑顔で手を振るすみれと一緒に、小雪も笑顔で瑠璃を見送った。