「それでは、安全運転で参ります」

そう言ってゆっくりと車を走らせ始めた白石が、長い信号待ちで、思い出したように瑠璃に話しかける。

「瑠璃様、赤ちゃんのベビーシートのカタログ、いくつか集めました。シートごと取り外して持ち運べるタイプもありまして、なかなか良さそうです。ベビーカーにもセットして使えるみたいですよ」
「え、そうなの?それは良さそう!」
「お時間がある時に、またお店にご案内しますね」
「ええ。とっても楽しみ!よろしくお願いします」

やがて駅に着くと、白石はトランクから荷物を降ろして三人に向き合った。

「お帰りの日に、またここにお迎えに上がります。どうぞお気を付けて行ってらっしゃいませ。すみれちゃん、楽しんできて下さいね!」
「はい!」

元気の良いすみれの返事に、白石も笑顔で頷いた。