魔法のいらないシンデレラ 3

(信じられない…。私、今、稜さんちのお風呂に入ってるなんて)

そう思ったとたん、一気に顔が赤くなる。

本当はもっとゆっくり浸かりたかったが、のぼせそうになり、仕方なく上がることにした。

バスタオルで身体を拭いてから洗濯機の表示を見ると、乾燥終了まではまだまだ時間がかかりそうだった。

小雪は、ひとまず下着だけを乾燥させようと、洗濯機から他の服を取り出す。

(明日の朝には乾いてるわね)

洗濯機の上にあったハンガーを拝借して、干させてもらう。

バスタオルを身体に巻いたままドライヤーで髪を乾かし、まだ動いている洗濯機を止めて下着を取り出した。

手で触ってみると、ほぼ乾いている。

小雪は下着を着けると、山下に貸してもらったスウェットを着てリビングに戻った。