「私も、まだ引っ越さなくてもいいかなと思っていたのは、そこが気掛かりだったからです。このマンションは、ホテルまでは1駅ですし、通勤時間もずらしてもらっているので、すみれを連れていても問題なかったので。でも…」

瑠璃はお腹をなでてから、一生を見上げる。

「すみれと赤ちゃんの今後を考えたら、私もそろそろ引っ越しを考えたいです。近くに大きな公園があって、歩道もちゃんと整備されていて。スーバーや病院も近くて、繁華街ではなく静かな場所に」

一生は、大きく頷いた。

「ああ、そうだね。そうしよう。それと、ホテルの社員の事も考えよう。今度、社長ともよく話し合ってみる」

そして、瑠璃に笑いかける。

「とても参考になったよ、瑠璃の話。ありがとう!」

瑠璃もニッコリと笑顔で頷いた。