(はあ、幸せだなあ)

瑠璃の手料理を食べながら、テーブルの上のスケッチブックにもう一度目をやり、一生はしみじみと日常の幸福を噛み締める。

20代の頃は全く恋愛に興味がなく、このままずっと独身でもいいとさえ思っていたのに…

今となっては、そんな生活はもう考えられない。

瑠璃と出会い、結婚出来た事だけでも奇跡のように思うのに、すみれが産まれ、さらにはもう一人赤ちゃんが産まれてくる。

(こんなに幸せでいいのかな…)

そう思った後、確か瑠璃と結婚した直後もそんな事を思っていたっけ、と懐かしむ。

(これからも頑張らないとな!俺)

守るべき大切な幸せが、確かにここにあるのだから。

一生は、キュッと顔を引き締めた。